石けんは、大昔、獣を焼いてしたたり落ちた脂に木の灰が混ざって偶然できた最古の界面活性剤です。

獣の脂(弱酸性)と木灰(強アルカリ性)の中和反応で弱アルカリ性の石けんが生まれました。
自然の絶妙な塩梅によって、石けんは加水分解と弱アルカリ性という2大特性を持つことになりました。
そのため、石けんには、
- ミネラルに弱い(カルシウムイオンやマグネシウムイオンと結びついて石けんカス(金属石けん)になり、洗浄力を失う
- 酸に弱い(弱アルカリ性だから中和して洗浄力を失う)
- うすまると洗う力を失う
という他の界面活性剤にはない特性があるのです。
人間の肌は弱酸性で、また、「油汚れ」「手あか」「皮脂」なども汚れの多くも酸性ですから、弱アルカリ性の石けんとは中和反応が起こりやすく、強い石けんの洗浄力・脱脂力は中和作用によって適度に緩和されます。
そして、石けんは汚れを取り除いたあと、速やかに界面活性剤ではなくなります。
石けんカス(金属石けん)は、色の濃い洗濯物の洗い上がりを白く汚したり、シャンプーのあと髪をギシギシにしたりしますが、肌を洗うときのキュッキュッというスッキリした感触は石けんカスによるもので、化粧品では、パウダーファンデーションやおしろい(白粉)などの感触を向上させたり、乳化安定化などのために必要不可欠な材料です。
肌に残った石けんカスは、常在菌のエサになるなどして3時間程度で分解されます。
石けんは「酸に弱い」ため、汚れに対して石けんが足りないと、ベタベタした灰色っぽい酸性石けんができやすくなります。(酸性石けんも石けんカスです)
例えば、誤って飲み込んでしまった場合、石けんは胃酸(塩酸)の強い酸による中和作用で脂質と食塩に分解され、ドレッシング(のようなもの)になってしまいます。
※ただし、石けんが安全だからと言っても、本人の健康状態などによっては飲み込んだ場合、治療が必要になることもあることは言うまでもありません。

中性や弱酸性の洗剤では中和反応が起こりにくいため、飲み込むと胃の中で消化されるまで界面活性作用が続きます。
また、石けんは薄まると簡単に洗う力(界面活性作用)を失いますが、合成洗剤は濃度が薄まっても洗う力を失いません。
中和作用について、弊社ホームページの「名曲の替え歌でムズカシイ化学を身近な知識に」
から以下をご覧ください。
・中和の歌 https://natural.secret.jp/wordpress/parody/中和の歌/
・昔の海は酸っぱかった https://natural.secret.jp/wordpress/parody/昔の海は酸っぱかった/